2017年04月27日

夢 第九夜 古道具屋

どうしても 本の続きが気になって

ハンチング老人は 翌日 再びあの古本屋に足を運んだ

ところが ない

古本屋が ない  いくら探しても ない

たしかに古本屋があった場所には 古道具屋が店を広げていた


途方に暮れて店先に立っていると 奥から中年の男が出てきた

「何かお探しですか?」

「あっ いや 確かここには 古本屋があったはずだが … 」

「古本屋? ここは親父の代から 古道具屋ですよ

近頃じゃ リサイクルショップ なんて呼ばれてますけどね

古本屋かぁ そういやぁ 親父の子供の頃は 古本屋だったと

聞いたことがあるな  昭和三十年頃のことですけど」

昭和三十年 と聞いて 老人の眉が微かに動いた

「旦那さん オシャレじゃないですか ハンチングなんか被っちゃって

どうです この姿見 フレームがクルミの無垢 なかなか良いモノですよ」

「浦島太郎に 鏡はいらないよ」

老人は 元気なく 今来た道を帰っていった


「これ いくら?」

口をポカンと開けて ハンチングを被った浦島太郎の後ろ姿を見ていた店主は

慌てて 声のする方を振り返った

サラリーマン風の ちょっとくたびれた男が 姿見を指さしている

早速 値段の交渉が始まった



薄暗い 古道具屋の一番奥 レジカウンターの後ろの壁に写真がかかっている

色あせて埃をかぶった 四つ切サイズの モノクロ写真

二十代から三十代の若者が 数十人写っている

前列中央には 

懐中時計の鎖をのぞかせたグレイヘアの男が 二眼レフカメラをこちらに向けている


カメラのレンズが 次にフォーカスするのは

あなた  

かもしれないsobaya.jpg



鏡の中の蕎麦屋は こちら からどうぞ



石臼碾き手打そば 「 百日紅 」








posted by 蕎麦屋の女将 at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする