2019年09月09日

さいはてバス

夏の終わり 抜けるような青空のもと
お父さんとお母さん 
そして小さな坊や 
お弁当を広げてる

image1.jpg

楽しそうだな 
しあわせを絵に描いたような景色
そんな三人を見下ろしていたら
なんだかお腹が空いてきた
よし今日は ちょっとお出かけしよう


一日に三本しかないという
路線バスに乗ることにした
海沿いを走るバス
車窓から見えるのは 海 波 海
降りたバス停の名は「さいはて」
名前が気に入った

image2.jpg


バス停と道路を挟んで向かいに
小さなカフェが店を開いていた
古い民家を改装したような
ちょっと素っ気ない感じの外観

入口に「見附島あります」の文字
見附島?
能登半島の先っちょに浮かぶ「見附島」?
あっ さっきバスの窓から見えた

image3.jpg


そうか 「見附島を食す」 
いいかもしれない
一度 食べてみたかったんだ

店内は 海に面して大きな窓が開いた
意外にモダンなつくり

「おいであそばせ」 
しわがれた声の主は 
ちょっと背中の丸まったおばあちゃんだった
白髪に白い割烹着
モダンなインテリアには
およそ似合わない人物登場

「あのぉ 見附島あります 
という張り紙を見たんですが…」

「見附島かいね はい ちょっと待つま」
そう言うと 白い割烹着は厨房に消えた

他に客はいない

無造作に置かれたグラスの水を飲みながら
メニューを開くと ただ一品

“エッグインクラウド 見附島”

パンケーキに雲のようなメレンゲと
半熟卵をトッピング。
ミラクルソルト、黒胡椒、バジルソースが絶妙。
生地に揚げ浜塩を使った
「奥能登地サイダー しおサイダー」を加え、
ふっくらと焼き上げた
当店オリジナルのパンケーキです。


パンケーキ メレンゲ バジルソース 
あの背中の丸まったおばあちゃんには
不釣り合いな単語が並んでいる

一体どんな「見附島」が出てくるのだろう
バジルソースは大好きだから 
わくわくしながら待つ

やがて 
おばあちゃんのしわくちゃな手が
運んできた皿に載っていたものは


石臼碾き手打そば 「 百日紅 」

posted by 蕎麦屋の女将 at 13:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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